夏の葬送


夏の葬送


狐、それも遠い湖畔の眦をした君をくさはらに(うず)める夏

燐光を発し細胞を、燃やさずにいられないみたいずっとあたらしい

まださめないあなたの淵に腰かけてはつなつが暮れるのを見ていた

くちづけはくちずさむとくすぐるにすこし似ているしんとしていて

さみどりの指で朝をなぞるたび 草木で 髪は花をこぼす

奪われる前に肩を離す 君、つむじ風を立てないようにわらって

『夏の葬送』

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