さいはて通信
uma carta para memorizar
小裂コラージュ『玻璃窓』 / 活版印刷詩『Finisterre』
染料 藍・臭木・刈安・玉葱・烏野豌豆
素材 草木染手織小裂(絹)・楮・クッション紙
活版印刷 増本 綾
かつて、巡礼の終着地でみた、きんいろの花の揺れる崖と、海とをいまでも憶えている。
いまや、心象風景と溶けあい、わたしにとってさいはてとなったその地のために一篇の詩を書き、
一年の月日をかけ、草木を、藍を絹糸に染め、詩に捧ぐ一枚の着物を織りあげたのだった。
着物の小裂たちを楮でつくられた葉書大の紙のうえに散りばめ、
つくりたての紙片をかかげると淡くひかる白土の壁にひとつ、玻璃の窓を拵えたようになった。
さりさりと音をこぼし透かされた海に投射された午后のひかり、行き交う帆船、それからいつかの丘へ