
織ることとはじめて出会ったとき、わたしはわたしのことばを代替するただひとつの手段としてそれを認識した。
かつてことばや物語がわたしの手を離れ、芽吹きはじめたように、わたしの手によって機へと差しだされた杼は織り進めてゆくうちにどんどんと坂道をのぼっていってそのまま、ずっと向こう、浅瀬のある岸辺まで駆けてゆくようだった。
いまや書くことと織ることは互いを補完し、永久機関のようにわたしの内で働きはじめようとしている。
ことば -text- と染織-textile-のあわいを往来しながら、
ここではないどこか遠く-ÎLE-をまなざしてゆきたいとねがい、TEXT-ÎLE を屋号とした。
吉田 遥 | Haruka Yoshida
詩人・染織家
1991年生
東京外国語大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、2022年〜2024年にわたって紬織重要無形文化財保持者の志村ふくみ氏、志村洋子氏主宰の都機工房で染織を学ぶ。独立後は暮らしや旅のなかで出会った土地の記憶をもとに染織、言語作品制作をおこなう。
活動略歴
2019 | ・ウェブマガジン連載『ふたたび、あたらしい朝を生きることについて』 |
2020 | ・不定期連載『ヨリの焚き火』もうり ひとみ (絵・青年の物語) × よしだ はるか(老人の物語) |
2022 | ・活版印刷詩と織布のコラージュ作品『さいはて通信』発表 |
2023 | ・朗読会「朗読の夕べ さまよう星」深夜喫茶しんしんしん (京都) ・朗読劇「朗読の夕べ しずかな火」もうりひとみ(物語)×よしだはるか(詩) gallery yolcha (大阪) ・詩集『どれでもなく、その、すべての灯」活版印刷作家 増本綾と共同刊行 ・朗読劇「朗読の夕べ あかるい庭」もうりひとみ(物語)×よしだはるか(詩) 庭文庫 (岐阜) |